年度が改まるこの季節。新入社員もそうでない人も、もう一度初心に戻って礼儀、マナーを確認しよう。相手をおもいやる、血の通ったマナーは、自分の仕事も向上させてくれるはずだ。
「なぜ会社にビジネスマナーが必要かといえば、収益を上げるため。それに尽きます」と、微笑みながら言い切るのは、マナーコンサルタントの西出ひろ子さん。
「ビジネスは相手があってのもの。相手の立場になり、何が求められているのかを『想像』し、そこからビジネスプランを『創造』するために、マナーはとても役に立ちます」
西出さんに、マナーが営業につながった一例をあげてもらった。日常生活の中で、「誰かのために」を意識するために、西出さんが勧めているのが「ハンカチを3枚持つこと」。1枚目は実用的なタオルハンカチ。2枚目は人の目に触れるのを前提にした、綺麗なもの。3枚目は、誰かのために使えるよう、清潔感のある500円程度の新品のハンカチ。
あるとき、新幹線で西出さんの隣に座った男性が、缶ビールを開けたところ、大量の泡が噴き出して困っていた。西出さんはタオルハンカチですぐに泡を拭き、新品のハンカチを進呈した。「拭くものがなくて困っている人のため」に用意した、3枚目のハンカチだ。