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 仕事と子育ての両立のため、保育園を探す「保活」に奔走する母親たち。その現実は想像以上に厳しい。壮絶な保活を経験した母親たちは、次のように話す。

■入院中にベッドで保活(品川区・IT企業(38)次男(15年2月生まれ))

 非正規雇用なので、遅くとも7月には復職しないと契約が切れて職を失ってしまいます。とはいえ2月末の出産ですから、4月入園には月齢が満たず、保活の土俵にすら立てなかった。認可は諦めて認可外や認証を探したものの、「生まれてから来てくださいね」とほぼ門前払いされました。

 帝王切開で出産した翌日、病院のベッドの上で夫に認可外18 園の資料が入ったファイルを渡し、「この園はファクスで」「この園には持参して」と指示して入園の申し込みに走り回ってもらいました。子どもの面接が必要な園にはまだ行けないので、外出できるようになったら、あと10園は回るつもりです。

■認可外で延長料金は10万円以上(渋谷区・サービス業(37)長男(14年2月生まれ))

 昨年秋に見学した認可外で、「1歳児の枠が来春空くので今なら押さえることができる」と言われました。認可の発表の1週間前までに入園料と4月分の保育料を支払うようにとのことで、11万円強を支払いました。結果的に認可は全滅だったので無駄にはなりませんでしたが、自宅から徒歩15分かかるので電動自転車も必要になりそうで、出費がかさみます。

 延長保育も高く、午後5時以降は15分400円、7時以降になると15分650円。午後7時までのフルタイムで復帰してほしいと会社に言われていますが、延長保育料だけで月10万円近く。かといって時短にすると収入が減るので、悩ましいところです。

AERA 2015年4月6日号より抜粋