「ガンダム」シリーズのプラモデル「ガンプラ」の発売から35年。世代も性別も超え、いまだ人気は衰えない。ガンプラが発売されたのは1980年。以来、バージョンアップを繰り返しながら、いまも毎月のように新商品が発売されている。
価格は数百円から3万円を超えるものまでさまざま。製造・販売するバンダイによれば、これまで1千種類以上を発売し、2014年3月までの総出荷数は4億3400万個に及ぶ。
ガンプラの何が、これほど人々を魅了するのだろうか。「奥が深いんです」と力説するのは、奈良県に住む会社員の男性(36)だ。
4年ほど前、インターネットでガンプラを見て、「格好ええ」と感じた。買って、設計図通りに組み立てた。ネットで見た「格好ええガンプラ」になると思いきや、まったく違った。すぐにスプレー式の塗装器具「エアブラシ」を買った。いま寝室には「塗装ブース」を設け、世界に一つだけのガンプラ作りに日々精進している。妻(42)から「なんで30過ぎのおっさんがガンプラやねん!」と毒づかれるが、めげることはない。この男性は言う。
「本当にすごい人のガンプラには、オーラがある。そういう作品を作りたいんです」
ガンプラに“萌える”のは、男だけではない。ファッションモデルの市川紗椰さん(28)。実はガンダムマニアとしても有名で、これまで作ったガンプラは100体以上。いまも5体を同時進行で作っている。
「2次元のアニメだと、足の裏やコックピットの内部など、どうなっているのかわからない部分がいっぱいある。それが3次元になって立体として見ることで、わからなかった謎が解ける。それが楽しくて仕方ないです」
※AERA 2015年3月2日号より抜粋