「スカートをはいていても中身は男」
タレントのマツコ・デラックスさんは、出演するテレビ番組で10月27日、第2次安倍内閣で登用された女性閣僚のことを、バッサリと切り捨てた。
「これまでは、男がしていることは女もしていいよ、という平等だった」
「女性が男性に合わせることなくいられることが、本当の男女平等」
と男女平等の見解を語り、共感の声が広がった。
これまで女性がどんなに男女平等を唱えても、相手にすらされなかった。人気タレントの発言だから受け入れられ、オネエキャラだからここまで言えた、という側面は否定できないが、バラエティー番組を通して、男女平等の議論の裾野が広まる意義があった。
安倍政権は女性の味方だと思いますか──「思う」40%、「思わない」55%。アエラ2013年6月24日号の記事「安倍政権は女の敵か味方か」で20~50代の女性500人にアンケートした結果だ。
今年10月の閣議決定後、政策づくりや法案審議など、女性政策は具体的な動きになってきていた。ただ「女性の活用」だの「輝く女性」だの、女性からしてみれば「上から目線」と感じられるキーワードが満載で、何ともしっくりこない空気があった。そこをスカッとさせてくれたのが、冒頭のマツコさんの発言だった。
女性の怒りを集結させるイベントも登場した。
「もういい加減にして『オッサン政治』!」。11月22日に東京であった「怒れる大女子会!」には、安倍政権の「暴挙」に黙っていられなくなった約200人が参加した。企画した弁護士の太田啓子さんは、こう語った。
「集団的自衛権、特定秘密保護法、原発、保育、貧困……。怒りのテーマが多すぎてカタログになるくらいです」
共感した女性たちが、各地で女子会を開いている。
※AERA 2014年12月22日号より抜粋