N700系の窓際に備え付けられているモバイル用コンセント(撮影/写真部・工藤隆太郎)
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N700系の窓際に備え付けられているモバイル用コンセント(撮影/写真部・工藤隆太郎)
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 出張先などにパソコンを携帯するビジネスマンにとって、重要なのが行く先々でのコンセント問題。最近は新幹線車内にもコンセントが設置されているが、実はこれ、簡単なことではないらしい。

 新幹線に新型車両デビュー!──となると、注目は走行性能や安全性、そしてデザインに集まる。しかし、「仕事で乗ってるんです」というビジネスユーザーにとって、同じくらい重要なのはコンセントの有無。700系の一部に客室内コンセントがお目見えしたときは、「これで充電の残量を気にせずに、心おきなく仕事ができる!」と喜んだ人も多いのでは?

 700系には各車両の最前列と最後列だけだが、N700系、N700Aには普通車の最前列席、最後列席、窓際席、グリーン車の全席に設置されている。わざわざ車両を確認して「のぞみ」を予約する人も多いはずだ。

 電気で走っているのだから、コンセントを設けるくらい簡単なんじゃない?と思った人、ちょっと待った。

「列車全体で使える電気の容量は決まっているので、客室内にコンセント一つを設けるのにも、その分の電気をどう振り分けるのか、2万5千ボルトで引き込んでいるものを、どう100ボルトへ変換するか、変圧器をどこに取り付けるのかなど、考えるべきことは、たくさんあるんです」

 そう教えてくれたのは、新幹線車両を造る日本車輌製造で、設計を担当する大石和克さん。

「多くのお客さまが使用されますから、コンセント自体の耐久性も高める必要があります」

 コンセント一つでも、実装にはさまざまな条件をクリアしなければいけないのだ。

AERA 2014年10月6日号より抜粋