3カ月以上日本に住む外国人に困ったことを挙げてもらったところ、とくに壁が厚かったのがコミュニケーションだ。日本人は、相手が外国人だと、必要以上に身構えてしまう。

「日本語を話そうとしているのに、見た目が外国人というだけで相手が焦って会話ができなくなる」(ドイツ出身のクリスさん)

 逆に日本式の「相手の気持ちを察する」コミュニケーションを押し付けて混乱を招くことも。

「ビジネスの契約の場面などで『また会いましょう』と言われると、返事がイエスなのかノーなのか判断が難しい」(インド出身のマニッシュさん)

「人を傷つけないように本心を隠すことがある。夕食の誘いにオッケー!とのってくれた友人は本当は気が進まなかった様子。会話の流れで家族と過ごしたかったんだなとわかった」(アメリカ出身のデーブさん)

 こういった日本人の本音と建前は、滞在期間が長くなると「だんだんわかるようになる」という人もいた。しかし、「『また会いましょう』が社交辞令だったとわかると寂しい」という見方も多かった。

AERA 2014年7月14日号より抜粋

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