全国で今、同窓会が増えているという。久々の同級生との再会で、多くの女性が悩むのがファッションだ。
都内に住むエンジニアのタカコさん(44)は長野県出身。帰省のタイミングで、同窓会に出る。ファッションの決め手は、「東京らしさ」。シンプルでかっこいい「ハンサム女子系」スタイルだ。
40代は、男性目線で人気がありそうな長い髪と短いスカートで、「おばさん女子」や「美魔女」をめざすより、カジュアルなほうが話しやすそう。どちらかといえば同性にかっこいいと思われる清潔感と聡明さをアピールしたい。
まずは、仕事にも着ていける白シャツ。肌触りがよく、シルエットがきれいなものを新調する。デニムも、普段はいているように見せかけて、3万円ほどのブランドものを購入する予定だ。高級ブランドだと、ステッチもダメージも手が込んでいる。
「シャツやデニムで多少、体のゆるみはカバーできるけれど、顔はごまかせない」
最近下がり目が気になり始めた。テレビで大桃美代子さんが宣伝していた「たるみをとる小顔ヨガ」を実践している。腕を頭の後ろにまわし、斜め上45度から頬をひっぱり、舌を反対方向に「べえ~」と出す。顔が引き締まったら、メイクの練習もするつもりだ。
こうした涙ぐましい努力がある一方で、男性はどこを見ているのだろうか。
「顔と体形」(会社員、33歳)
「ファッションの細かいところはわからないけれど、がんばりオーラが伝わってくると引く」(自営業、45歳)
「笑顔がすてきだと印象に残る」(会社員、42歳)
「昔と比べて、変わったか、幸せそうか」(会社員、47歳)
そこですか?という、ざっくりとした見方が大方だった。
(文中カタカナ名は仮名)
※AERA 2014年6月2日号より抜粋