リコートークスキルも学んだベテランエンジニアたちは、顧客の気持ちも汲み取った対応が可能だという(撮影/今村拓馬)
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トークスキルも学んだベテランエンジニアたちは、顧客の気持ちも汲み取った対応が可能だという(撮影/今村拓馬)
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 顧客からの「声」を聞くコールセンター。そこには迅速な対応と、問題解決能力が求められる。

 複写機やプリンターなど、リコー製品の保守サービスを受けつけるリコーテクニカルコールセンター。同社も、顧客の「声」を解決に導くのはコールセンターだが、他社とは一風違う。

 東京都中央区にあるオフィスビルの4階。コールセンターというと、若い女性が受け答えするイメージがあるが、ここでイヤホンマイクに話しかけパソコンに向かう100人近いオペレーターは、全員が中高年の男性だ。

「機器を知り尽くしたエンジニアによる電話受付です」

 コールセンターを管轄するカスタマーサポート本部RTC統括室長の桑野俊彦はそう話す。彼らはリコーのカスタマーエンジニアとして何十年も現場で働いてきて、機器のことは知り尽くしているという。

 センターは全国に7カ所。「コピー機の紙が詰まった」「レーザープリンターの液晶ディスプレーに、わからないメッセージが表示された」……。こうした機器の故障や障害についての顧客からの声は、年間300万件近くある。

 傾聴が大原則。その上で、状況に応じて対処法を提案する。

 ただ、顧客がすぐにエンジニアが来ることを望む場合や電話では解決できないケースでは、全国377の拠点にいる約4千人のカスタマーエンジニアが顧客のもとに駆けつける。

 ダウンタイムゼロ。同社は、故障やトラブルなどで機器が使えない時間を極力短くすることを目指す。桑野が言う。

「機器を安定稼働させることはお客様が一番望んでいること。それを実現することは会社の力、ひいては成長につながります」(文中敬称略)

AERA  2014年4月28日号より抜粋