東京工業大学キャリアデベロップメント実践演習では、増沢特任教授が「あなたなら面接でどう答えますか」などと質問し、積極的な参加を求めていた(撮影/編集部・直木詩帆)
東京工業大学
キャリアデベロップメント実践演習では、増沢特任教授が「あなたなら面接でどう答えますか」などと質問し、積極的な参加を求めていた(撮影/編集部・直木詩帆)
この記事の写真をすべて見る

 就職に有利とされる国立大理系も、推薦だけで決まる時代ではない。各大学の、就職のための取り組みを追った。

 1月29日、東京工業大学のすずかけ台キャンパスでは、「キャリアデベロップメント実践演習」の最終回が行われた。

 イノベーション人材養成機構の増沢隆太特任教授の担当で、「キャリアとは何か」という説明から、エントリーシートや面接の具体的な指導まで行う。この日のテーマは面接だった。

「趣味は何ですか?という質問で、面接官は皆さんの趣味を知りたいわけではありません。どう受け答えするかで、人柄を知りたいんです」
 
 10人弱の受講生が真剣にうなずく。面接の心構えや事前準備は「東工大生ならどうするべきか」という視点で語られる。

「普通の就活テクニックは、圧倒的に数が多い文系学生のために作られたもので、東工大生にはあまり役立たない可能性が高い」(増沢特任教授)

 東工大生に求められるのはサークルやアルバイトの経験よりも、いかに研究を頑張ったかというエピソードだ。早い段階から就活に注力するよりも、研究に集中するほうが就活で良い結果が出る傾向があるという。

 名古屋大学は、就職者数の1位がデンソー、2位トヨタ自動車、3位中部電力と地元企業への就職が際立つ。こうした状況に対して、國枝秀世副総長は、「公務員・教員になる学生も多い。名古屋大学の学生の7割が東海地区出身者。入学式で総長が『下宿せよ、さもなくば海外へ出かけよ』と呼びかけています」という。企業と学生のマッチングにも力を入れている。

「就職先の決定に、会社説明会から半年以上かけたにもかかわらず、3年以内に3割が退職するとされる。1、2年次からインターンシップで企業を見ることを強く勧めています」

AERA  2014年2月10日号より抜粋