この制度を利用するには、金融機関に専用口座を開き、親に教育資金を拠出してもらう。各金融機関は専用商品を販売しており、領収書がなくても先に資金を下ろせるタイプや、預けた資金を運用できるタイプなど、さまざまだ。平林さんは「持てる口座は子どもや孫一人につき1口座のみ。よく比較検討しましょう」とアドバイスする。
生前贈与に次いでポピュラーな節税対策が、生命保険の活用だ。独立系保険代理店「コンダクト」代表でAFP(アフィリエイテッド ファイナンシャルプランナー)の資格を持つ石塚安代さんはこう語る。
「生命保険の死亡保険金は、法定相続人一人当たり500万円まで相続税が非課税です」
相続財産6千万円が、預金の場合と、生命保険の場合とで比べてみよう。相続人が子ども3人の場合、2015年の税制改正以降は4800万円までが相続税の基礎控除となり、それを上回る1200万円に課税される。預金の場合の相続税額は3人合わせて120万円になる。
一方、親が生前、生命保険を契約して保険料を支払い、死亡保険金の受取人を子どもたちにしていた場合、死亡保険金6千万円を受け取った子どもたちは、相続税を払わずに済む。
死亡保険金は3人で合わせて1500万円まで相続税が非課税となる。相続財産は、6000万円-1500万円=4500万円として計算される。3人合わせた基礎控除は4800万円なので、それを下回り、相続税の税額はゼロだ。
※AERA 2014年2月3日号より抜粋