百貨店やホテルなどで問題になっている食品偽装。素人がその真贋を見分けるのは難しいが、あらかじめ注意したほうがいい食材もあるようだ。
今回の一連の偽装では、「有機野菜」をうたいながら、そうではない野菜を提供したケースも散見される。有機農産物はJAS規格により厳密に定義づけられている。農林水産省のデータでは、2007年度の有機農産物の割合は全体の0.18 %。有機農産物を多く扱う宅配ネットスーパー「Oisix」の担当者は、
「農薬を使わない有機野菜は通常の野菜以上に病気などの影響を受けやすい。有機野菜100%の食材を提供するには、それなりの手間がかかる」
「有機」表記を見かけたときは、眉に唾をつけるべきだろう。
エビの偽装も目立つ。バナメイエビが「芝エビ」、ブラックタイガーが「車エビ」と偽装された。むき身にすれば見分けがつきづらく、調理すれば味もわからない。まさに偽装の条件が、ばっちり整った食材だ。
「芝エビがよく売れるようになった。芝エビだと偽っていた店が、慌てて本物を仕入れだしているのではないか」
と話すのは、エビ専門の卸業者だ。これまで芝エビは、身が小さすぎて火が通りすぎるなど、扱いづらい食材として敬遠されがちだった。それが、ここ数日は「普段の3倍くらい」の数量が出ているという。
市場では、車エビ、芝エビは、基本的に生きた状態で取引されている。輸入された養殖のブラックタイガー、バナメイエビは冷凍なので、混同することはありえない。ただ、最近はバナメイエビも、病気が流行して出荷量が落ち、価格が高騰していたようだ。
※AERA 2013年11月18日号より抜粋