4人の子ども全員が東大理IIIに合格した佐藤ママこと佐藤亮子さんによる、受験生とその親を応援する短期集中連載。第10回は「落ちていたら? 娘と話し合った」と題してお送りする。
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国公立大学の前期試験も終わり、後期試験に向けて頑張っている受験生もいると思います。合格発表を待つ受験生と親御さんは、「まな板の上の鯉」状態だと思いますが、まあ、いい経験だと思ってそれぞれの立場で吉報を待ちましょう。
どの受験生も保護者も、後悔がまったくないということはなく、頭の中で「反省」がグルグル回っているかと思いますが、それでいいのです。この時期は内省に親子で励むいいチャンスですよ。「生きるとは?」と考え、そこそこの答えを出しておくと、これからの人生で役に立ちます。こんなことでもないと、深くは思考しないですからね。
わが家は、3人の息子たちのときは受験生以外に普通の学校生活を送っている子どもが家にいたので、その子たちの生活に合わせていました。合格発表の日までフツーに暮らしていたということです。今考えてみれば、家族全員の心の中はドキドキだったかも。でも、だれも「大丈夫かな?」とは口に出さなかったですね。やはり、一番落ち着かないのは受験生本人ということを、家族みんなが知っていて思いやっていたのだと思います。きょうだいも努力して平静を保っていたのでしょう。受験生本人はというと、時々友達と会ったり遊んだりしていました。
私も3人の息子たちの場合は、「不合格だったら」については口にしませんでしたし、考えないようにしていました。なんだか縁起が悪い気がしましたから。
しかし、長女のときには、家に子どもは娘だけということと女の子は割と親と話すので、いつもの会話の流れで、不合格だったときの話になりました。長女は高2の冬から高3の6月まで体調を崩し「受けられただけでもありがたい」という思いがあったので、私は息子たちのときより肩の力を抜いた感じでした。だから、気軽に2人で話し合えたのかもしれません。