秘書が逮捕された河井案里参院議員(C)朝日新聞社
秘書が逮捕された河井案里参院議員(C)朝日新聞社
広島地検の本丸は河井克行前法相?(C)朝日新聞社
広島地検の本丸は河井克行前法相?(C)朝日新聞社

 自民党の河井克行・前法相(56)(広島3区)の妻で同党の案里参院議員(46)(広島選挙区)の陣営が、昨夏の参院選でウグイス嬢らに違法な報酬を支払ったとされる事件がようやく動いた。

【写真】広島地検の本丸は河井克行前法相?

 広島地検は3日、案里氏の公設第2秘書、立道浩容疑者(54)、克行氏の政策秘書、高谷真介(43)容疑者、案里氏陣営の運動員だった脇雄吾(71)容疑者を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕。

 夫の克行氏の衆院議員会館の事務所にも家宅捜索に入った。司法判断によっては案里議員の当選が無効となる「連座制」が適用される可能性も出てきた。

 立道容疑者は公設秘書就任前の昨年7月、高谷容疑者らと共謀。案里氏が初当選した参院選で、ウグイス嬢14人に対し、公選法施行令で定められた上限額(1日1万5000円)を超える3万円の日当を支払ったという。

 立道容疑者は克行氏の運転手を経て2017~18年に克行氏の公設秘書を務めた。昨夏の参院選当時は案里氏の陣営で、遊説日程などを取りまとめ、ウグイス嬢への報酬の支払いも担当。参院選後に案里氏の公設秘書となったという。

「まさに、河井ルールが逮捕という事態になりましたね」

 こう話すのは、広島地検で連日、事情聴取されていたAさん。案里氏の陣営では運動員として携わっていた。案里氏から直接、ウグイス嬢の手配も依頼されていた。その携帯電話には、日当3万円につながる生々しいやり取りが残っている。

 昨年5月21日、Aさんはウグイス嬢の候補となっていたBさんとLINEで案里氏陣営に入ってくれることを依頼。その条件として<ギャラはどうなるか聞いておきます!河井ルールで行ける様にしたいですねー>とAさんはBさんに送信。

 他のウグイス嬢にも声をかけていたBさんは<集める時には法定(金額一万五千円)と言って集めておきます>と返信している。

 河井ルールとは、克行氏の選挙の時だけに陣営で適用される独自のもの。日当3万円もその中に含まれる。その経緯について、広島地検から事情聴取されたAさんがこう証言する。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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