「『やめたほうがいいんじゃないか』という問い合わせもあり、大会中止も選択肢として検討していました。今は、参加者の中から感染者が出ないことを祈るばかりです」(担当者)
スポーツ現場での感染症に詳しい生駒クリニック(兵庫県猪名川町)の狩野孝之院長は、新型コロナウイルスがせきやくしゃみのしぶきによる飛沫感染でうつることを前提に指摘する。
「マラソンは参加者も観客も同じ場所に長くとどまる競技ではないので、満員電車などに比べて感染のリスクは低い。他のウイルスの例からいっても、屋内よりも屋外の競技のほうがリスクは低いと考えられます」
ただ、沖縄で3月5日から始まる国内女子ゴルフツアーの開幕戦は無観客での開催が決定するなど、他競技にも影響は及んでいる。
「今後、体育館などの室内で行われる競技に影響が及ぶ可能性はあります」(狩野院長)
厚生労働省は20日、イベントなどの開催について事実上の“自粛”を呼びかけたが、この騒動が続けば東京五輪・パラリンピックはどうなるのか。(本誌・秦正理)
※週刊朝日 2020年3月6日号