今年のアカデミー賞で撮影賞など3部門を受賞した映画『1917 命をかけた伝令』が、2月14日に日本公開された。監督は「アメリカン・ビューティー」で鮮烈なデビューを果たしたサム・メンデス。キャストには「英国王のスピーチ」のコリン・ファースなど実力派がそろう。
舞台は1917年4月のフランス。第1次世界大戦がはじまって3年。西部戦線では防衛線を挟んでドイツ軍と連合国軍がにらみ合っていた。
イギリス軍の兵士スコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)は、撤退したドイツ軍を追撃中のマッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)の部隊に重要なメッセージを届ける任務を与えられる。実は航空写真により、ドイツ軍は撤退したと見せかけているだけに過ぎないことが判明。このままでは1600人の友軍は全滅してしまう。なんとしてもその事実をマッケンジー大佐に伝えなければならない。しかしそれはあまりにも危険な任務だった──。
本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)
■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★ 超オススメ、ぜひ観て
人影のない戦場を行く2人の若い伝令の姿が徐々に不安に包まれていく。売り物のワンシーン、ワンカット撮影が生きるのは彼らが駆け抜ける地雷原。俳優の顔が演技というより本当の恐怖でこわばって見えるのが怖さを増す。