「平日は閑散としていて、ミステリーゾーンは暗い施設なのにほこりがたまっているのが見てわかるほどだった。メンテナンスが行き届いていないのでは、と感じていました」(40代主婦)
生まれ変わるテーマパークへの期待はどうか。幼い2人の子育てに追われる練馬区の40代の主婦は、すこし表情をくもらせる。
「近隣のママ友たちは年間パス購入が当たり前で、(園内「こどもの森」の)大きな滑り台は子どものお気に入り。ママ友同士で『遊び場がなくなる』と話しています」
確かにとしまえんのように味のある風情は捨てがたい。30代の記者も西武池袋線沿線の近くで育ち、としまえんには世話になった。10代のころ、勇んで出掛けたグループデートで、はしゃぐあまりにアトラクションに酔い、女の子たちの前でダウンしてしまった。そんな体験ができたのも、今にして思えば、としまえんの気取らない雰囲気があればこそだろう。
「ハリポタ園」として再出発したら、USJのように国内外の観光客でさぞやにぎわうだろう。でも、ふらりと足を運べる遊園地がなくなってしまうのは東京っ子にはなんとも惜しい。(本誌・秦正理)
※週刊朝日 2020年2月14日号