レヴォリューションズ/ジム・ベアード
レヴォリューションズ/ジム・ベアード
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ベテランアレンジャーの集大成
Revolutions / Jim Beard

 1985年にニューヨークへ進出して以来、鍵盤奏者&プロデューサーとしてジャズ、フュージョン、ポップスで数多くの仕事をしてきたのがジム・ベアードだ。これまで国内盤を含む数枚のリーダー作がリリースされているわけだが、日本ではどちらかと言うと裏方的なイメージが強いのはこの人らしいキャラクターなのだと思う。最新の話題ではスティーリー・ダンのウォルター・ベッカーが久々にリリースした個人名義作『サーカス・モンキー』にも、キーボーディストとしてクレジットされていた。

 本作はそんなベアードが満を持して世に問うニュー・アルバムだ。これは決して大げさな表現ではない。過去のアルバムから選りすぐりのオリジナル曲を、オーケストラと共に拡大バージョンでリメイクするというプロジェクト作。2005&2007年の2度の大掛かりなセッションを実現させた3年越しの企画という事実に、ベアードのたゆまぬ情熱が明らかだ。2003年ノース・シー・ジャズ祭のハイライトとなったパット・メセニーのステージ・サポートを始め、欧州ジャズ交響楽団の最高峰としての実績が確かなメトロポール楽団は、このベアードとの共演作においても最高のマリアージュを示している。《ホリデイ・フォー~》はまさに夢とファンタジーに溢れるサウンド・アドベンチャーの幕開けを告げるトラック。聴き進めるにしたがってこれは60~70年代に名前を残したドン・セベスキー、クラウス・オガーマンといったアレンジャーに、その現代版としてベアードも名を連ねる1枚なのではないかとの感を深くした。多種多彩な仕事で培ったノウハウをすべて詰め込んだベアードの、キャリアの集大成と呼ぶべき記念碑がここに誕生した。

【収録曲一覧】
1.Holiday For Pete & Gladys
2.Hope
3.Diana
4.Lost At The Carnival
5.Holodeck Waltz
6.Princess
7.In All Her Finery
8.Parsley Trees
9.Trip
10.Crossing Troll Bridge

ジム・ベアード:Jim Beard(p,syn) (allmusic.comへリンクします)
ボブ・マラック:Bob Malach(ts)
ビル・エヴァンス:Bill Evans(ss)
ジョン・ヘリントン:Jon Herrington(g)
ヴィンス・メンドーサ:Vince Mendoza(cond)
メトロポール・オーケストラ:The Metropole Orchestra

2005、2007年オランダ録音

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