※写真はイメージです (Getty Images)
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2018年末に完全リタイアをした男性(66)の例  (週刊朝日2020年1月31日号より)
2018年末に完全リタイアをした男性(66)の例  (週刊朝日2020年1月31日号より)
ライフプランシートで特別支出を見積もる  (週刊朝日2020年1月31日号より)
ライフプランシートで特別支出を見積もる  (週刊朝日2020年1月31日号より)

 貯金と退職金に余裕があるからといって無駄遣いをしていると、あっという間に老後資産は底をつく。とはいえ、家計簿をいちいちつけるのは面倒。家計の見直しのプロが勧めるのが「貯金簿」だ。

【画像】市販のノートでできる!「ライフプランシート」の作成例はこちら

お金を持っていると気が大きくなってしまったのか、浪費に歯止めがかからなくなってしまいました」

 そう嘆くのは都内に住む男性(66)。60歳で定年を迎えてからも再雇用で働き続け、65歳になった年に完全リタイアした。仕事人間で大した趣味もなく、朝から晩まで暇を持て余していた。

 すでに住宅ローンは完済して、子どもたちも独立。約2800万円の退職金と貯金を合わせて4千万円以上の資産があったので、「老後破産は自分たちとは関係ない話」と思い込んでいたが、ここにきて資産の目減りが激しいことが気になり始めた。

 ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが言う。

「40年以上働き続けてきた自分へのご褒美といって夫婦でクルーズ旅行に出かけるなど、退職金で大きな買い物をする人がいます。まずは、退職して1年間、年金で生活が成り立つのか収支を知るのが基本です」

 家計をきちんと把握したいけれども、家計簿を一からつけるのは面倒、という人に畠中さんが勧めているのが「貯金簿」だ。

 畠中さん自身、20年ほど実践してきた方法で、毎日レシートを記録するのではなく、2~6カ月ごとに全財産を記入するだけ。

 貯金簿のつけ方は市販のノートに、「預金」「保険」「運用商品」などの項目を設けて、銀行口座の残高、貯蓄性保険の支払額の累計や解約返戻金、保有する株式の評価額などを記入して、下に小計を書く。

 掛け捨ての保険は貯蓄性がないので対象から外す。また、住宅や自動車などのローンがあれば、新たに項目を作り、メモ欄にはその時期に何にお金を使ったのかイベントを書く。家計簿アプリより簡単だ。

 現役世代であれば3カ月に一度、年金生活者は2カ月に一度、年金受給月の月末に記入する。そうすると数カ月ごとや、年間の収支が一目でわかる。

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