3番目に私が避けているのは電車です。原則として電車には乗らないようにしてから20年になります。その理由は痴漢に間違えられたら、かなわないからです(笑)。60歳を過ぎてからの方が女性の色気を愛するようになったので、万が一にでも、電車のなかで女性に触れてしまったら大変です(笑)。
また3年ほど前からは、嫌いなものは食べないということを徹底するようになりました。
会席料理や中華料理のコースでは、好きでないものも出てきます。しかしそれを食べないのでは、もったいない上に作ってくれた人に失礼な気がして、目をつぶって少しは口にするようにしていたのです。
でも、それもすっぱりやめました。私の食養生の基本である「好きなものを少し食べる」ということを貫くようにしたのです。そうしたら、体重が減って身が軽くなりました。さらに晩酌の味わいが増したので、うれしい限りです。
テレビを見ない。スマホを持たない。電車にも乗らない。嫌いなものは食べない。
こうしたことを励行するだけで、日常がずいぶんシンプルになります。まさに「老子」の、「之を損し又た損して、以て無為に至る。無為にして為さざる無し」(第四十八章)です。
これによって、ナイス・エイジングの質が高まるのは間違いありません。
※週刊朝日 2020年1月17日号