ちょうど1年前に放送開始されたドラマ「トクサツガガガ」(NHK)に主演し、脚光を浴びた。女子力高めの商社勤めのOLだが、実は特撮オタクでヒーローが見えてしまう……というコミカルな役。
「放送が始まってからは、『ガガガで好きになりました』という方が多くて嬉しかったです。業界の方からも、取材してくださる方からも、『ガガガ、見てましたよ』と言っていただくことが多くて。私にとってとても大きな作品です。去年はほかにもいろんなドラマのお話をいただき、役の上で振り幅が大きい一年で、とても充実していました」
昨夏は「ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ」でラッパー、「べしゃり暮らし」で漫才師を演じたが、その後は一転、社会派ドラマに出演。「歪んだ波紋」で、保険金目当てに夫を殺したと疑われる妊婦役。NHKスペシャル「パラレル東京」では主役のキャスターに抜擢された。
まだ22歳だが、オファーされる役は、実年齢よりも高いことがほとんど。
「幼く見られることが多いのに、どうしてなんでしょう。19歳のとき、小学校の先生の役をいただいたこともあります。この見た目でこの役はおかしいだろうと思われないように、お芝居で頑張らないと」
好きな女優を尋ねると、満島ひかり、安藤サクラ、寺島しのぶ、蒼井優の名をスラスラと挙げた。
「あの方たちの演技は、本当に素晴らしいじゃないですか。泣いてるシーンを見ると、こっちまで苦しくなって涙が出てきます。あどけない子どもっぽい表情をされたり、めちゃくちゃ艶っぽい表情もされたり。私も先輩方のように、見てる人をどんどん引きずり込むようにお芝居を究めていきたい。『小芝が出ているから見たい』と思われる女優さんになりたいです」
今年は、その域に近づくための大事な年になる。
「猟奇的で二面性のある役に挑戦してみたいです。すごくいい子だと思われていたのに、実は陰ではこんなことをやっていた、とか。人間のドロッとした汚い部分が出てくるような作品に興味があります」
※週刊朝日 2020年1月17日号