放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「イチロー」について。
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僕は先日、会って緊張する人と久々にお仕事しました。それはイチロー選手、いや、イチローさんです。SMBC日興証券さんのお仕事で、僕が聞き手として、イチローさんの「お言葉」を聞きだし、動画を作り、SNSなどで配信するというもの。スタジオに昔ながらの部屋みたいなセットを作り、そこでイチローさんに対して僕が至近距離で座り、お話を聞いていく。
スタジオに入ってきたイチローさんを見たときに「あ、イチローだ!!」と思ってしまいました。こんな気持ちになったの、「SMAP×SMAP」にマイケル・ジャクソンが来たとき以来です。めちゃくちゃいい人でした。これまでスターと言われる人たちにまあまあお会いさせていただきましたが、スターと超スターって僕の中で違いがあります。超スターって絶対いい人なんです。だから安心するし、うれしい。やっぱりSクラスの超スターなんだと。
そして収録。サイコロを振っていき、イチローさんが人生ゲームのようなものを進めて、止まったところで人生を振り返ったり、もしもの話をしたり。超スターというのは、神様が味方します。サイコロはマックス3まで。最初のうちは見事に細かく刻んでいく。1ばかり。撮れ高考えるとそのほうがいいわけです。後半に進むと3が増えてくる。そろそろ1がいいなと思うと、1になる。誰かがリモコンで操作してんじゃないかなと思うくらい。
収録は全部で3時間。休憩は2回。何がすごいってその集中力。インタビュー形式でトークしていくってめちゃくちゃ疲れるわけですよ。3時間ですよ。だけどトークしている間も、そのペースにばらつきが出ることもなく、ずっと「オン」状態を保つ。一定。そしておもしろい。やはり超一流は何をしても超一流なんだなと。