フィギュアスケート元男子代表の織田信成(32)氏が18日、関西大アイススケート部の監督を辞任したのは、関大所属の濱田美栄氏(60)によるハラスメントが原因だったとして、1100万円の慰謝料などを求め大阪地裁に提訴した。
濱田氏は18年のグランプリファイナルに初出場で優勝した女子の紀平梨花選手(17)らの指導者として知られる名コーチ。
今年9月に監督を辞任後、濱田氏によるハラスメント行為が一部のマスコミで報じられる中、織田氏は「フィギュアスケート界の悪弊に一石を投じる思いで濱田コーチを提訴しました。それはあきらめに近い勘定でした」と提訴の理由を語った。
大学での部活動を巡って、元監督がコーチを提訴するという前代未聞の民事訴訟に発展した。
織田氏によれば、濱田氏のハラスメントの数々で体調を壊し、監督辞任に追い込まれたという。
織田氏は今年3月に体調を崩し、入院した後、濱田氏のハラスメントに対して、関西大学と7月から話し合いしていたという。
「大学からは、ハラスメントはなかったと発表があった。しかし、弁護士が大学に聞いたところ、ハラスメントの調査はしていないと聞かされた。話に矛盾がある。大学の学長からは『この件を公にするなら、僕と濱田コーチどちらも辞めてもらう』と聞かされていた。だが、現実は違う。大学も今回のことを、調査、明らかにするつもりはないんだと感じました」
織田氏が受けたとされるハラスメントの中身とはどのようなものか。
「濱田コーチから氷上での危険な練習をしていたので、すごくあぶなかったので、やめて頂きたいというと『あんたの考えは間違っている』と激高。その後1か月間、無視された。無茶なお願いをしてないのに、激高されて驚いた」
「濱田コーチにスケートリンクのことで電話しました。練習時間の変更などについて、会った時になぜ、伝えてくれなかったのか、というと『私の義務じゃない』と言われた。濱田コーチのハラスメントの行為、僕に敵意ある発言でリンクに行くのがつらいと言っても、謝罪もなかった」