巨人・小林誠司(C)朝日新聞社
巨人・小林誠司(C)朝日新聞社
巨人・小林誠司(C)朝日新聞社
巨人・小林誠司(C)朝日新聞社

 今オフはフリーエージェント(FA)宣言したソフトバンク・福田秀平、ロッテ・鈴木大地、楽天・美馬学らが複数球団の争奪戦となり、その動向が注目されている。気の早い話だが、来オフは近年まれに見るほどの豪華な顔ぶれがそろう見込みだ。

【写真】平成で最もカッコいいバッティングフォームはこの選手!

 史上初の3度のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)をマークしたヤクルト・山田哲人、盗塁王を3度獲得した日本ハムの西川遥輝、ソフトバンクの守護神・森唯斗のほか、ヤクルト・小川泰弘、石山泰稚、DeNA・梶谷隆幸、広島・田中広輔、西武・増田達至、金子侑司、ロッテ・松永昂大ら実績十分の選手たちが、順調にいけば国内FA権を取得する。

 山田、西川がFA権を行使すれば、複数球団が名乗りを上げるのは必至だろう。一方で、現時点であまり注目されていないが、もう1人、他球団から熱視線を浴びる選手がいる。巨人の小林誠司だ。

 2013年秋のドラフト1位で入団。新人の年から1軍で出場している。12球団屈指の強肩に加え、菅野智之、山口俊ら主戦投手からの信頼も厚い。国際試合でも、17年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンの正捕手として全7試合に先発出場した。

 現在開催されている国・地域別対抗戦「プレミア12」にも参戦している。今季は4年連続リーグトップの盗塁阻止率4割1分9厘で、5年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

 だが、立場は微妙だ。昨オフに西武からFA加入した炭谷銀仁朗、成長著しい大城卓三の台頭もあり、92試合出場と4年ぶりに100試合に届かなかった。

 ある球団の首脳は、その実力に太鼓判を押す。

「うちに来れば不動の正捕手だよ。肩の強さはもちろん、リード面も年々良くなっている。打撃も成長の跡が見えるし、足りないのは実績だけ。試合に出続ければ、球界を代表する捕手になれる可能性がある。正捕手がいなくて困っている球団は多い。小林がFA権を行使すれば間違いなく争奪戦になると思う」

 今季も、中日、ヤクルト、日本ハム、楽天、オリックスは捕手が固定できなかった。ソフトバンクは甲斐拓也、西武は森友哉、広島は会沢翼と、正捕手がどっしりしているチームは強い。巨人も慰留するとみられる。巨人の生え抜きで国内の他球団にFA移籍した選手は1993年オフに横浜(現DeNA)に移籍した駒田徳広のみ。小林は巨人に残留するか、他球団移籍を視野にFA宣言するか。その決断が注目される。(梅宮昌宗)

※週刊朝日オンライン限定記事