ま、文章を書くことによって発想力や構成力も身につくだろうしネタ探しにもなるだろう。普段文章を書かない彼らにとってはいいことしかない、素晴らしい提案だと思ってたのだが……あいつら、締め切り守らねえ。
初めの頃は守っていたが、慣れてくると締め切りの土曜の深夜、日曜朝、最近では大胆にも火曜の夜に送ってくるようなヤツもいる。舐められてる? 何度も言うがオレは師匠だぞ。なんなら師匠が「編集長」なんだぞ。どこに発表するわけではないが、一応2回は目を通すことにしている。短いが感想を書くこともある。「ちょっとお待ちください!」とかのメールもない。黙って遅れやがる。最低限の礼儀もない。頭きたから今回の彼奴らのお題は、私が与えられたのと同じ『ルーズ』にしてやった。皮肉を込めて、また師匠にあるまじきことだがなんなら弟子の文章をパクってやるぐらいの気持ちで、『ルーズ』にしたのに。まだ、送ってこない。日曜日だぞ! こっちは困ってんだ。お願いだからなにかヒントでもくれよ!!
と、思ってたら、あ……なんか書けちゃった。
※週刊朝日 2019年11月22日号