作家の室井佑月氏は、安倍首相の「責任は私にある」発言の意味を問う。
* * *
ハードディスクにドリルで穴を開けてその場をしのいだ政治資金規正法違反事件での小渕優子元経済産業相、うちわの配布で問題になった松島みどり元法相、補助金交付団体からの政治献金問題の西川公也元農林水産相、業者への口利き疑惑を睡眠障害を理由に逃げた甘利明元経済再生相、大震災が東北で良かった発言の今村雅弘元復興相、PKO日報隠蔽(いんぺい)問題の稲田朋美元防衛相、復興より議員が大事とのたまった桜田義孝元五輪相……。で、ここに加わった新メンバーは、香典公職選挙法違反疑惑の菅原一秀前経産相、それと妻の公職選挙法違反疑惑の河井克行前法相。
もちろん、疑惑の類でいえばもっとたくさんの政治家が引っかかる。このメンバーは安倍首相が、「任命責任は私にある」といって大臣を辞めた人たち。
首相は「責任は私にある」って言葉、たぶん違う意味で覚えてるよね。「私からもおわび申し上げる」くらいに思ってんじゃね? でもって、この言葉の後、これからもこの国のため邁進(まいしん)していく、みたいな言葉で収めるんだよ。
はぁ? 違うんじゃね? 手柄を上げ、褒められた後、そういうならわかるけど。誰か~、彼に「責任」というところに付箋(ふせん)貼った辞書を渡してやって~。
出るわ出るわの大臣の不祥事。でも大臣を辞め、首相が「責任は私に……」と一言いえば、疑惑は帳消しになってしまう。
そりゃあ、国民を舐(な)めてかかるのも仕方ないだろう。みんなそれで「ふざけるな!」と怒らないんだもの。
11月1日付の産経新聞のデジタル版に「英語試験延期 自民・世耕参院幹事長『思いやりにあふれた決断』」という記事が載っていた。
自民党の世耕弘成参院幹事長が、萩生田光一文部科学相が大学入学共通テストに導入される英語の民間検定試験の来年度からの実施を見送ると発表したことについて、「受験生の立場に立った思いやりにあふれた決断だと思っており、高く評価したい」と述べたとか。