「水泉」は内くるぶしとかかとの間の浅いへこみ、「太ケイ」は内くるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみ、「築賓」は「太ケイ」から“親指の幅五つ分上”と覚えよう。
下から上に向かってもみほぐしたあと、片手で足首を持って、「太ケイ」のツボをくるくると親指で円を描くように押し、もんでいくのもおすすめだ。
「アキレス腱、皮膚、骨、筋肉。それぞれの癒着をとるようなイメージで行ってみてください。ここをしっかりほぐすと、足のむくみ改善にもつながります」
腎経ゾーンはめまい、耳鳴り、抜け毛など加齢に伴う悩みとも密接に関わっている。触れたときに痛みやしこりのない、健全な状態を守っていこう。
さて腎経ゾーンをもみほぐしたら次は足裏のマッサージへ。足裏には臓器と対応し、その状態を反映する「反射区」がたくさんある。免疫力と密接な関係にあるのは副腎と胸腺の反射区。副腎エリア周辺にバツ印のシワが多いのは、副腎の機能低下が推測される。胸腺のエリアに角質がついていたり、赤く腫れているのも、免疫系の乱れが推測される。
「足裏で、免疫力と密接な関係があるのは『副腎』のエリアと『胸腺』のエリアです。副腎のエリアに親指をぐっと押し込んでみましょう。そして次に胸腺エリアを親指の関節で横から刺激してみてください」
副腎のエリアは手の親指をグッと押し込み、そのまま指先を離さず、外側に開くように手首ごと倒す。10秒間押し続け、その後ゆっくり離す。
胸腺エリア(足の内側の突起部)は、手の指の関節で横から刺激。ゆっくり丁寧に10秒ほど押し続ける。または、エリア全体を親指の腹でもみほぐしてもよい。
このふくらはぎと足裏のもみほぐしは、合わせて5分でOK。
「強い力でギューッとほぐしたほうが血流がよくなると思われがちですが、決して強い力をこめる必要はありません。腎経ゾーンは指ではなく“れんげ”の裏などをあてて、靴下の上からくるくる円を描く感じで刺激するくらいでもよいのです」
足は健康状態のチェックシートであると共に、からだを健康に導くツールでもある。お風呂で。あるいは寝る前に。毎日足に触れて、いたわる習慣を身につけたい。
※週刊朝日 2019年11月15日号