いかに予算を削るか──。それが重要ミッションのひとつだった。
令和への皇位継承に関わる一連の儀式の総額は、160億8500万円にも及ぶ。顔認証システム導入など警備業務に1億7400万円、「即位礼正殿の儀」で使う大型モニターなどの設置に1億4900万円。さらに、人件費や材料費の高騰で平成の代替わりと比べて36億9千万円も膨らんでしまったのだ。
むろん、政府や宮内庁も節約にいそしんだ。
大嘗祭の建物は一部プレハブを採用して6億円減。大嘗祭のあとの宴(うたげ)は、招待者を減らして8900万円を節約した。
即位礼では、平成で設置した中庭の仮設ステージをやめて3億3100万円減。
もちろん天皇陛下の「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」や秋篠宮さまの「黄丹袍(おうにのほう)」、皇后雅子さまや紀子さまの「十二単(ひとえ)」など主要な方々の装束は新調する。一方で、ほかの皇族方は、手元に保管されていた平成の即位礼のときの装束を着用したり、中庭に並んで弓などを持つ「威儀(いぎ)の者」らの装束もできるだけ再利用するなどして、3億8900万円を浮かせることができた。