そこに加えるとしたら、抗酸化、抗糖化、抗炎症作用が期待できるサプリや健康食品だという。酸化や糖化、炎症作用は、老化を促進する要因。老化は見た目の問題だけでなく、がんや認知症といった病気の発症にも影響する。ビタミンCやE、DHA、EPAなどには抗酸化、抗糖化、抗炎症作用があるとされる。

 これ以外は、気になる症状があれば、その症状改善が期待できるものを選ぶといい。症状と有効性の関係については、国立健康・栄養研究所のウェブサイト「健康食品」の安全性・有効性情報にも詳しい。

「漫然と飲み続ける必要はありません。サプリを摂り始めてから自覚症状の改善を感じるまでの期間は、1~3カ月と言われています。それまでに変化が実感できなければ、摂取をやめるのも選択肢の一つ。症状によっては医療機関での治療が必要なこともありますので、効果を感じられなければ医療機関の受診をおすすめします」(同)

 年齢や性別によっても適するサプリや健康食品の摂り方は違ってくる。東海大学医学部付属東京病院・病院長、教授の西崎泰弘さんは、抗加齢ドックの責任者として、十数年にわたって年間2500人以上の男女の健康に携わっている。その経験を踏まえ、次のようにアドバイスする。

「閉経前の女性は月経があるため貧血になりやすい。鉄とBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンの総称)をおすすめします。閉経後の女性は骨密度が減り、骨がもろくなることが問題になります。この場合、ビタミンDとカルシウムの併用がよいでしょう」

 男性は、現役世代にはビタミンCが、シニアにはBCAAが必要だという。

「ビジネスマンは欠食や暴飲暴食で栄養が偏りがち。不足しがちなビタミンCを意識して摂ってほしい。シニアの男性は、筋肉が落ちるサルコペニアのリスクがあります。BCAAは筋肉のエネルギー源となる必須アミノ酸のことで、筋肉の合成を促進したり、分解を抑えたりすることが期待されています」(西崎さん)

 性別問わずシニアが摂りたいのが食物繊維。年齢と共に腸内の善玉菌が減る。大腸がんや便秘の予防のために不可欠だという。

 そのほかに西崎さんが注目しているのは、ブロッコリーの新芽などに含まれるスルフォラファンと、エビや鮭などに含まれる色素アスタキサンチンだ。スルフォラファンに期待される効果の一つが、体内の抗酸化力を高めるというもの。西崎さんらは以前、男性被験者52人を2グループに分け、片方にスルフォラファンを、もう片方にプラセボを摂ってもらう二重盲検試験を実施した。

「2カ月後に肝機能を比べると、スルフォラファンの摂取グループで値がよくなっていました。スルフォラファンが肝臓の持つ化学物質を分解する解毒、抗酸化、抗炎症を高めたことで肝機能を改善したと考えられます」(同)

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