「大臣の英語は、外国人が一生懸命話している感が出ていました。日本語を話しているときのリズムで、英語のリズムではない、と聞こえました」

 進次郎氏は報道陣にこう語っていた。「英語は絶対話せなきゃいけないと思います。通訳がいるっていうことだけで、もうあの場で勝負にならない」

 これに対し、中林教授は通訳を入れることも必要なこと、と指摘する。

「通訳をはさむことで考える時間を稼ぐ、あるいはわからないフリをして後で修正がきくようにする、という局面が国際政治の舞台では実際にある。バイリンガルでない大臣がネイティブ相手に英語で丁々発止と渡り合うのはムチャがある、と見えます。国益を左右しかねないのでは」

 セクシー発言はネット上に拡散し、「具体性がない」などという批判が相次いだ。

「大臣はバッシングを示すSNSを見ないそうです。そういうものに目を通すと、神経がすり減るもの。マイナスな評価をあまり気にしないほうが、将来、成功するのにはいいのかもしれません」(自民党関係者)

 ともあれ「使うときにはひねりとオチのセンスが必要」(前出の中林教授)というセクシー発言。就任まもない進次郎氏が放つには「ちょい早」だった気配である。(本誌・上田耕司)

週刊朝日  2019年10月11日号

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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