プロとは違い、走攻守に完成された選手たちではない。選考で何かを重視すれば、必ず目をつぶらなければいけない部分が出てくる。WBCのようなオールプロのトップチームと同じ視点で選考の議論をすることはできない。
大事なのは、大会に向かうまでの過程において、改善点はなかったかどうか。逆に改善できて成果を上げたことは何かを冷静に分析することだろう。4月に代表候補の合宿を行ったことは素晴らしいことである。今回、地方大会で早々に敗れてしまった選手も、大会に向けて意識高く準備を進めたと聞く。ただ高校生は一気に伸びる。夏に急成長した選手をどう選考に生かすかという課題もある。
プロの監督を選べばいいという話も出てくるだろう。ただ、どこまで機能するかな。もちろん、プロでも指導経験のある者は試合の流れを読む力、割り切り方、選手の調子の良しあしを見抜く目、相手の戦力分析などにはたけているだろう。しかし、高校生とのうわべだけではない向き合い方をどこまでできるかは未知数だ。
代表選手には本当にお疲れさまといいたい。どのステージに進むにせよ、野球を続ける上で発見があったのなら、素晴らしいと思う。
※週刊朝日 2019年9月27日号