放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「実家の被災」について。
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台風15号により、僕の実家もある千葉県南房総市が大きな被害を受けました。大きな台風が来ると言われてても、正直、「自分の住んでるところは大丈夫だろう」と油断して、どこか他人事な部分があったりしてました。人って、結局、他人事が自分事になったときに、本当にその痛みがわかるもんですよね。
台風が過ぎた朝、南房総に住む母からLINEが。「台風の被害で大変なことになってしまいました。どうしていいかわかりません。屋根の瓦が吹き飛んでしまい、二階の部屋がアメリカンがざーざー漏ってしまいました」
アメリカン? 直後、2通目のLINEで「アメリカンではなく、雨です」と訂正が。その瞬間、思わず笑ってしまいましたが、そのくらい焦っていたということです。すぐに母に電話したら、74年生きている母が「こんなの経験したことない」と泣きそうな声。激しい波が家を襲っているようだったと。屋根が飛んで2階の部屋は水浸しになってしまっている。うちの実家はまだいいほうで、近所の家などはもっとひどい状態だと。停電して、電気は通じてない。朝の時点で電話は通じていたし、母も元気そうではあったので、少し安心しました。だけど、そのあと、コンビニから食料がすぐになくなったり、店も開いてなかったりで、食料の確保も難しく、その夜からなぜだか電話も通じなくなる状態で。
僕が、Twitterで自分のドラマのことなどを書いていたら、お叱りの言葉が。「そんなこと書いてる場合じゃないですよ。南房総の状況がかなりひどいのに、テレビなどではあまり報道されてないんですよ。被害状況を拡散してください」と。南房総の状況を伝えるTwitterを検索すると、想像以上に深刻な被害。そこは「被災地」でした。