林:今回の吉本の騒動も、ウソがバレちゃった感じですよね。ヒロシさんも最初は吉本にいたんですね。
ヒロシ:いちばん最初は、福岡吉本でしたね。
林:ギャラってほんとにあんなに搾取されるんですか、事務所に。
ヒロシ:はい。だけど素人がいきなり舞台に立ったからといって何の価値もないんで、それはしょうがないですよね。だから僕も初月給は二百何円だったかな。確かに扱いとかはひどかったですけど、僕はそういうもんだと思ってやってました。
林:でも吉本って、搾取してるわりにはボロい建物ですよね。
ヒロシ:それは正しい経営ですよね。見栄を張らずに家賃を安く抑えるという。僕は芸人でもあるし、自分で会社を経営してますけど、みんながみんな高給をもらえるわけないんですよね。価値がないとお金払いませんから。
林:吉本の後にサンミュージックに移ったんですよね。ぜんぜん違いました?
ヒロシ:お給料とかは普通でしたね。でも、まあいろいろありまして、独立しました。
林:15年ぐらい前、「ヒロシです……」の自虐ネタで一世を風靡したとき、このままずっとトップに行って、そのうち自分の冠番組を持つんだろうと思ってたら、突然「テレビに出たくない」とか言って……。
ヒロシ:あのキャラクターでは、テレビの世界で走り続けるのは無理だと思ってました。僕が売れたころは、バラエティー番組はひな壇が主流だったんですけど、人見知りがキツくて、人をかき分けて自分の意見を言うというのが難しい性格だったんで、これは無理だなと思って。
林:それでしばらくひっそり暮らしてたんですか。
ヒロシ:ひっそりというか、テレビにあんまり出なくなって、でも、お金はいっぱい残ってるじゃないですか。だから好きなことをやり始めましたね。釣りが好きだったので釣りに行ったりとか、自給自足の生活に憧れてたんで、古民家を見に行ったり、キャンプをやり始めたのがその時期です。お金はそこそこあるし、ヒマもあったので。