林:いちばんいい状態ですね。超売れっ子のころって、ひと月に4千万円収入があったって本当ですか。
ヒロシ:ええ、ありましたね。でもヒマになって、「消えた」と言われるのもイヤで。だから悠々自適という感じでもなかったです。
林:ヒロシさんのいちばん新しい啓発本(『働き方1.9 君も好きなことだけして生きていける』)の中で、「売れっ子になって大金を稼いでいたときよりも、今みたいにユーチューブとか本の収入のほうがずっと心穏やかなことに気づいた」って書いてますね。
ヒロシ:はい。ユーチューブも本も、自分がやりたいことをやってるだけなんですね。テレビは「一発屋」を演じさせようとするんですよ。それがイヤで、魂を売って2万円しかもらえないんだったら出ないという選択です。
林:2万円?
ヒロシ:僕、がっつりテレビに出ても、ギャラ2万とかいうときもありますから。
林:私たち文化人価格よりも安いじゃないですか。
ヒロシ:そのへんが弊害ですよね、「一発屋」を言われることの。
林:売れっ子のときは車もすごいのを買って……。
ヒロシ:そうですね。何のためにずっと続けてきたかといったら、モテたいためであって、やっぱりモテそうな車を買いましたよね。
林:モテそうな車って何ですか。ジャガーとか?
ヒロシ:はい。白いジャガーを買いました。ナンパしても車がよければモテるという時代があったんです。でも、僕が売れてたときは、そこまで車にステータスがあった時代は終わってたんでしょうね。僕、お酒飲めないんですけど、ずっとキャバクラに行ってたときがあって、店外デートに成功したんです。ジャガーに乗せてちょっとドライブしたんですけど、30分ぐらい走ったら、「いつ帰っていいですか?」って言われて。
林:えっ、ウソ!
ヒロシ:「マジか、ほんとはイヤだったんだ」と思って。
林:私、ヒロシさんのエッセーも読みましたが、すごくおかしかった。「モテたい」というだけで青春時代を過ごしてたんですね。