競泳の池江璃花子選手(19)が今年2月に白血病を公表したことで急増した「骨髄バンク」へのドナー登録。日本骨髄バンクによると、2月の月間登録者は前月よりも約9千人多い1万1662人。その後も登録者は増えている。
このようななか、7月上旬に同団体が登録者に送った会報誌が物議をかもしている。骨髄提供の意思のない登録者や事情によって提供できない登録者に対して、「登録取消」や「登録保留」を呼びかけたのだ。
「提供を断る候補者が多いという問題は、今に始まったことではありません」
こう打ち明けるのは、日本骨髄バンクの広報担当者。実は、同じ内容を前号(2018年12月号)にも載せているという。
骨髄バンクでは、ドナー登録者のなかから移植を希望する患者の白血球の型(HLA)に適合した人が候補者として選ばれ、確認検査などを経た後、健康上の問題がなければ骨髄が採取され、患者に移植される。
候補者となったドナー登録者にはその旨の通知が郵送されてくるが、その段階や、その後の過程で提供を断る人が少なくない。同団体によると、18年度のドナー登録者は約51万人で、候補者となったのは2万6千人強。だが、実際に提供に至ったのは、候補者の5%弱の1212人だった。住所不明で通知が団体に戻ってくるケースもあるという。