──アート以外で、芸能活動へのエネルギーとか、息抜きにしていることはありますか?
ないですね。アートと芸能活動の違いがないというか。そこが全部変わらないから、今回の個展になっちゃったというか。逆に言えば、この個展のようにコンサートも作ってきましたし、全部が一つに繋がっている。
──この1年半はどんな時間でしたか。
結構、想定内のことで生きてきたんですが。この1年半は想定外でしたね。こんなに仕事ができると思わなかったですし。ファンミーティング、ステージの上で歌って踊って、夢の個展、洋服屋さんもできたし、映画もやりましたし、想定外でしたね……。
──よい意味での想定外?
はい、よい意味で。それこそ「嘘(ライ)をありがとう」という絵があるんですけど、自分が芸能界を引退してアーティストになる、という記事が出たことがあって。当時は「いやいや引退しないけど」と思いながら眺めていたんです。でも今は個展ができて、結局ありがとうなんですけど(笑)。
引退はしないですけど、1年半ほど前に、すべての活動をリセットして、ゼロからはじめてみようと思ったときが、確かにありました。そのときは、いろいろなことを考えました。どんなことができるのか、模索しつつ、ニューヨークで1年くらい過ごす日がくるのかな~なんて思ったこともあります。
人生で初めてのゆったりした時間があるのかなって。でも、なかったじゃないですか(笑)。
──この展覧会の準備もありましたしね。
あっという間です。
──アート活動は今後も続けますか。
はい。個展はまたやってみたいです。これで終わり、ではなく、このあとも。今回、劇場での個展っていう、考えもしなかったことができた。そうなると、次どうなるのかな、と。きっと僕は僕を超えてくれると思うので。
──草なぎ剛さん、稲垣吾郎さんの個展への感想はどんなものでしたか。
草なぎは僕のアート活動に対して一番背中を押してくれている人。直接褒めるよりも、周囲の人に「慎吾の絵は本当に素晴らしいんだよ」と言ってくれて。その言葉でここまで来た感じです。本来、そういうことする人じゃないんですけど……。僕のことを広めたいというか。応援したい気持ちが強くある。
ゴローちゃんは……まだ見ていない(笑)。この記事が出るころ来てくれる、はず(笑)。彼、今、舞台(編集部注:4月末まで)をやっているので。
(取材・構成/工藤早春[本誌])
※週刊朝日 2019年6月7日号