そんな夫と、1匹のワンちゃんとで暮らす岩崎さん宅には、頻繁に前の夫との子どもがやってくる。
「嬉しいのは息子たちと彼がすごく仲良しなんです」
夫婦円満の秘訣は、「遠慮しないこと」。
16歳で芸能界入りした岩崎さんが知らなかった世界を10歳年下の夫が教え、支え、守っている。
「彼はとても大人です。しっかりしていてどちらかというと、私がしつけられている感じですね」
エッセイストの横森理香さん(56)の夫も年下だ。夫婦円満の秘訣をこう語る。
「年下夫を持つ妻はカゲバン(陰の番長)になって、何より、夫を自由にさせることです。『ここに帰ってきたい』と思えるような心地よい家を作っておけば、放し飼いをしていても絶対帰ってくる。『信頼して放牧』することが大事」
イメージすべきは、実家のような雰囲気という。
「何時に帰っても、いつも家にはご飯がある。何気なく食卓の鍋を開けると好物が残っていたり。そんなホッとできる場所を作っておけば良いのです」
前出の岡野さんは言う。
「いつか年下夫が私の元から離れるかもしれない。その覚悟は必要だけど、ずっとそんなことを考えていたらうまくいきません。夫婦の間は思いきり楽しみ、もし別れの時がきたら受け入れて最後は大人の女性として終わらせる。これが、年上妻の美学なんです」
記者の夫(46)も3歳年下。実年齢より老けて見える記者に対し、夫が若干若く見られるため、夫の職場の若い衆の集まりに遠慮して行か(け)なかったことも……。「誰が母ちゃん連れてきたんだよ、って言われそうだから」の一言にガーン。撃沈したこともあった。
でもスマホやパソコンが壊れたときは直してくれたり、最近のトレンドを教えてくれたり、意外と役に立つ。そんなおとなしく、おだやかで、怒らない性格は、年下夫の典型に思えるけど、甘えて依存ワガママ妻でいたら、さすがによろしくない。年下夫リスクを頭の片隅に置きつつ、放牧でもするか。(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日 2019年6月7日号