ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「深田恭子」さんを取り上げる。
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『令和』。思わず色っぽく発音したくなる名前です。私も密かに新元号の予想をいろいろとしてみたものの、見事に2文字とも外しました。M(明治)、T(大正)、S(昭和)、H(平成)以外のアルファベット順に、「来そうな漢字」をひたすら羅列したのですが、改めて予想メモを見返すと『院保』とか『院恵』とか『光紋』とかそんなのばかりで、テメエの低俗さに泣けてきます。
これでいよいよ平成もカウントダウンに入りました。先週は我が国の『イイ女像』に革命を起こした深津絵里さんについて書きましたが、今週もまた『深』の付く天下人です。96年(平成8年)のデビュー以来、気付けば22年。ほわわ~んと平成男子のハートを掴み続けている深キョンこと深田恭子さん。現在放送中の東京ガスのCMも何あれ。どんだけ~レベルの可愛さです。♪タラバガニィ~♪
深キョンが注目されたのが、98年に放送されたドラマ『神様、もう少しだけ』でした。援助交際が原因でHIVに感染した女子高生というショッキングな設定はもちろん、工藤静香さんが唄う挿入歌がおもむろに大ヒットしたのも印象的だった記憶があります。アイドル氷河期の90年代前半を経て、安室ちゃんやSPEEDといった次世代型アイドル達が席巻する中、満を持して登場した『正統派美少女アイドル・深キョン』。良くも悪くもどこに自意識があるのか分からない感じが、今思うと非常に平成的だったようにも思えますし、何が凄いって、あの“きょとん”とした佇まいのまま平成31年までずっと来たということです。たまに「もしかして深キョンは、まだ自分が芸能界にデビューしたことに気がついてないのでは」と思ってしまうほど。