本誌が入手したルイヴィトンの「爆買いリスト」。2002年から横領した金で買い始め、判明しているだけで642点、1億571万円におよぶ。ミッキーハウスには、写真にあるようにルイヴィトンの時計、服、靴などが山積みされていたという。
北村被告は事件発覚後、夫と離婚。当初は会社に出社、横領した金について説明していたが、突然、逃亡し、自己破産を申請した。
「逃げたかった」
北村被告は法廷で心情をこう語っていた。
北村被告はブランド品などを売却して一部、被害弁償をしたと法廷で主張。だが、横領した金額にはまったく届かないという。それどころか、法廷では検察側が北村被告の息子による
「勝手にブランド品などを売り払い、自分の携帯電話代金の支払いに充てていた」
「検察が息子を呼び出すと、北村被告との、SNSでのやり取りを削除していた」
などの“隠蔽工作”があったことを明かした。
北村被告は動機について自身が会社で管理していた金が、「表に出せないお金で、なぜそんなことをしなくてはと不満もあって、手を付けてしまった」などと理不尽な説明をした。
被害者の社長は、実刑判決が出ても怒りを隠せずこう話す。
「ルイヴィトンだけで2億円以上も使っている。だが、北村被告は裁判では2億円横領と主張するなど、どこまで嘘八百言うのか。当初は犯行を認めず、預かった金は家に置いてあるなどと言い訳。調べると、会社の預金はほとんどない状態。そして、横領が発覚すると、古い会計書類を勝手に持ち出して、燃やすなど証拠隠滅をした。小切手に勝手な金額を書いて引き出すなどやり放題。おまけに、今もどこかに金を隠している形跡もある。弁護士費用や保釈金もうちで横領した金を使っているそうです」
北村被告は事件の顛末を記した本の出版を計画しており、タイトルは『ミッキーハウスと呼ばれて』だそうだ。(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事