放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、店内で花見ができる創作中華のお店『シーファン』。
【写真】お花見気分が味わえる『シーファン』の店内と名物料理がこちら
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“春のお出かけシリーズ”第2弾である。
皆さん、お花見はもう済んだだろうか。
先日、レギュラー出演している「ドデスカ!」(メ~テレ)の「竹田のイマネタ!」というコーナーで、“エア花見”なるワードを耳にした。同局の竹田基起アナウンサーの説明によれば、場所取りや天候、トイレの心配もないというそれは、なんのことはない、満開の桜の枝を生けたレンタルスペースでの“花見”。
ちなみに竹田アナは、花粉症がひどいことでも有名なので、「個人的にも有り難い」そうである。
同番組で紹介されたレンタルスペースでは、ソメイヨシノ以外に、早咲き、遅咲きの品種をスタンバイしているため、かなり長きにわたって花見が楽しめるという。思わず、
「それなら、私、既にエア花見をやっています」
とコメントしてしまった。
毎年この時期になると、店内に大きな桜の木が登場する麻布十番の創作中華『シーファン』である。
テレビ朝日に程近い、飲食店ばかりが入るビルの5階。というワケで、テレ朝の局員や番組スタッフ、AbemaTVの関係者、そして芸能人、アスリートらの顧客が多いことでも知られ、小泉孝太郎をはじめ、「行きつけの店」として同店をテレビ番組で紹介する有名人も多い。
ふかひれの姿煮、北京ダック、季節には上海蟹といったメニューもあれば、シウマイや餃子、小籠包などの点心や、専門の職人が焼く、皮がパリパリな鶏肉も人気。名物は四川山椒を使用した本格的な麻婆豆腐で、小ライスと共に、シメに必ず注文する客も多い。
外苑東通りが見下ろせるテラス席は、これからのシーズン、オープンエア。さらには、カラオケ付きの個室があったり、カーテンで仕切ってもらえる半個室も充実したりしていることが、顔バレしたくない有名人本人や、彼らを招きたい業界人には「助かる」ポイントだ。
さらに、若きオーナー、宮本大城氏の顔の広さや気持ちのいい接客も大人気なのだが、すごく広いワケではない『シーファン』が、“デッドスペース”ともいうべき、巨大な生花アレンジになぜこだわるのか。
それは、宮本氏の母上と弟さんが「古流東洋会」なる華道の師範であることも関係しているかもしれない。
特に、お花見シーズンは、HPに「店内でお花見できます」とまず記すほど、“エア花見”が売りになっている。お花見「まだ」の方は、『シーファン』で是非。
『Shi-Fan(シーファン)』
東京都港区麻布十番1-9-2 ユニマット麻布十番ビル5F
※週刊朝日 2019年4月12日号