

映画「バイス」が4月5日から全国公開される。監督は「マネー・ショート 華麗なる大逆転」でアカデミー賞の脚色賞を受賞したマッケイ。プロデューサーにはブラッド・ピットの名前も。本年度のアカデミー賞では作品賞、監督賞を含む8部門でノミネートされ話題に。
1960年代半ば、酒癖の悪いチェイニー(クリスチャン・ベール)が、のちの妻となる恋人のリン(エイミー・アダムス)に尻を叩かれ政界への道を志す。型破りな下院議員ラムズフェルド(スティーブ・カレル)のもとで政治の表と裏を学んだ彼は、次第に魔力的な権力の虜になっていく。大統領首席補佐官、国防長官を経て、ジョージ・W・ブッシュ(サム・ロックウェル)政権の副大統領に就任したチェイニーは、“陰の大統領”としてふるまい始める。
2001年の同時多発テロ事件では自ら危機管理に当たり、イラク戦争へと国を導いていく。法を曲げることも、国民への情報操作もすべて意のままに。こうして彼は、世界の歴史を塗り替えていく。
本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)
■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★ 超オススメ、ぜひ観て
親分子分のつながりが逆転するラムズフェルドとの関係が見もの。嫌な奴でも同性愛の娘を守る腹芸男チェイニーの親心は買いたいが、もしかするとこれも計算のうち?よくわかるのは亭主の出世に賭けた妻のしたたかさ。