漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「いだてん~東京オリムピック噺~」(NHK総合 日曜20:00~ほか)をウォッチした。
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3本の足がクルクル回るタイトルロゴは横尾忠則デザイン。続いて広がる山口晃が描く東京の鳥瞰図。しかも一瞬しか映らない。もったいねぇ!
もうこれだけで、アート的には「まんぷく」です。いや、朝ドラじゃなくて、大河ドラマだから。大河だからって、なんやかんやぶっこみすぎじゃないかという「いだてん」問題。
なんせ主人公も2人いる。
「日本マラソンの父」金栗四三(かなくりしそう=中村勘九郎)から、東京オリンピック招致に尽力した田畑政治(阿部サダヲ)へのリレー方式。
さらに語り部も2人いる。落語家の古今亭志ん生(ビートたけし)と、その青年期・美濃部孝蔵(森山未來)。
なのに序盤は、嘉納治五郎(役所広司)が主役みたいで、天狗倶楽部の三島弥彦(生田斗真)なんてキャラもぶっこまれ。劇中出てくる「自転車節」じゃないけど、見てるこっちが「どうしたもんじゃろかい」。
同じ宮藤官九郎脚本の朝ドラ「あまちゃん」では、「じぇじぇじぇ」ってフレーズがブレイクしたけど、本作はもう「スッスッハッハッ」に「て・ん・ぐ!」に「とつけむにゃー」に「ぎゃーん」だから。これまた何を推していいやら、どうしたもんじゃろかい。