マルハニチロの「月花さば水煮」(左)、明治の「エッセル スーパーカップ 超バニラ」 (各社提供)
マルハニチロの「月花さば水煮」(左)、明治の「エッセル スーパーカップ 超バニラ」 (各社提供)
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今年の主な値上げ25品目  (週刊朝日 2019年3月15日号より)
今年の主な値上げ25品目  (週刊朝日 2019年3月15日号より)

 今年は新年早々、小麦粉が値上がりした。干ばつなどの気候要因や輸送コストが上昇するなどで輸入小麦の価格が引き上げられたことが背景にある。このほかのものでも原材料の価格高騰や人手不足、輸送費の上昇などにより、この春は値上げラッシュとなる。

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 都内に住む40代の女性会社員は相次ぐ値上げで生活のやりくりが難しくなるという。

「おでんのパックを常備していて、何もないときにそれだけでおかずになり重宝しています。今後はスーパーの安売りを狙わないといけなくなり、大変困ります。冷凍うどんも便利なので、いつも冷凍庫に入れていますが、値上げ前にまとめ買いするにしても保存場所に限度があります」

 この女性は勤め先の会社で昇給をあまり期待できないと話し、物価上昇に対して節約するか、副業をする「ダブルワーク」しかないと考えている。身のまわりでもダブルワークの人は増えているといい、自分も数年ほど前から会社が休みの日などにアルバイトをしているという。

 散髪は誰にも必要だが、2月には「10分で千円」という宣伝で急成長してきたヘアカットのQBハウスが値上げした。低料金で庶民の味方だったが、通常料金1080円を1200円に引き上げた。1割程度の値上げは庶民の財布に痛手だ。

 このほか、人気商品となったことで原料調達が難しくなり、値上げするものもある。老化予防や血流改善などの健康効果が注目されてヒットしているさば水煮缶だ。マルハニチロによると、国産さばの国内需要や輸出が拡大して取引価格が大幅に上昇しており、缶詰用の原料調達が難しくなっているのだという。190グラムで220円だった缶が3月から240円となった。国内外で人気が高まりすぎたことがあだとなった。

 主婦にとって、おでんや煮物、サラダなどのおつまみとしても重宝するのが、ちくわやかまぼこなど魚肉を使った練り物だが、これらも値上げとなる。原材料や包装材料、人件費やエネルギーコスト、物流費の上昇が背景にある。日本水産や紀文食品は3月から、数%から十数%引き上げた。

 生めん、ゆでめん、冷凍めんも値上がり。シマダヤは3月から、小麦粉やエネルギーコスト上昇などを理由に価格を3~10%引き上げた。

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