落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は「『いだてん』」。
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NHKの大河ドラマ『いだてん』を欠かさず観ている、といってもまだ2回だ(これを書いてる時点で)。オープニングのアニメーションが山口晃画伯だった。ぼんやり見ていたら、「わ! 山口さんっ!」と思わず声が。自慢じゃないが、私の著書『春風亭一之輔のおもしろ落語入門』の挿絵は山口晃画伯によるもの。今年第2弾が出る予定。小学生でもわかるようにルビもふってあります。お子さんの情操教育にいかが? 学校図書館にも置いて頂きたい。ぜひお買い求めください。
……あ……『いだてん』だった。昭和の大名人・古今亭志ん生師匠が「語り」。志ん生役はビートたけしさん。髪の毛、フサフサ。あれ? ……志ん生師匠ってツルツルじゃなかった? 落語のシーンもふんだんに……もろ、ビートたけしだ。でもいーんだよ、これで。『たけしが志ん生を演る』。それで十分だ。
志ん生の長女・美津子役が小泉今日子さん……。むー。美津子さん、お会いしたことあるけどキョンキョンというより……ガンバレルーヤのまひるちゃんをお婆さんにしたようなかんじだったな……。勿論かわいいには違いない。が、ベクトルがずいぶん……。まぁ、いいのだ! 兎に角、まひるちゃんはかわいい。自分の息子の彼女があんなかんじだったら、初対面のとき緊張しなくていいよ。うちに挨拶に来たら白飯をいっぱい食わしてやろうと思う。待ってるぜ、まひるちゃん似の息子の彼女!
いかん……『いだてん』だ。弟弟子の春風一刀(はるかぜいっとう)が出演しているという。彼は前職を言いたがらなかった。「何してたの?」と聞けば「それほどのことはしてないっすよ」と、自信ありげな態度。「気になるなぁ、教えてくれよ!」「偉そうに言えるような仕事ではないですから、止しましょう(遠い目)」。目茶目茶気になるじゃないかー! 「ここだけの話にするからさ! 何してたのっ!?」と問えば、一刀は不敵な笑みを浮かべながら、「ふふ……兄さんだから言うんですよ……実は……」。