小島:長く連れ添った夫婦が別れる「熟年離婚」が増えています。それも目覚めたってことなんでしょうね。目覚めた時に経済的な自立ができないことも、女性を苦しめています。

小林:女の子を家庭でどう育てるかが、自立に大きな影響を及ぼしているんじゃないかしら。「若いうちにセレブな男を見つけなさい」という親もいるわけですよ。私は娘が生まれてしばらくして「血はつながっていてもこの子は私とは別人格」と感じとったの。実際、彼女は私とは違ういい面をたくさん持っているんです。才能の芽みたいなものを見つけて「がんがんやりなさい!」って伸ばしていけばいいのよ。

小島:小林さんは欠点ではなく、いいところに目が行くんですね。美容でも「欠点を隠すのではなくていいところを見つけなさい」と教えています。でも日本人は人を褒めたりいいところを見つけるのが苦手ですよね。

小林:美容の世界では「目が小さいから大きく見せましょう」とか「肌が乾燥気味だからうるおいを与えましょう」で済んでしまうことがあるの。8割の美容家はそうしているんじゃないかしら。でも私は、それだけではない。キャラクターは尖っているほうがおもしろい。目が小さいから大きくしただけの人なんかいらないわけですよ。いいところを見つけて際立たせると、その人の個性がパッと輝くの。仕事をしてきた中でプラスを見つける目を養えたのは、すごく良かった。若い世代にも「プラスを見て」と伝えると生き方がポジティブに変わっていく。教育にもどんどん取り入れるといいわね。

小島:日本の教育は「これをしてはいけない」という躾がベースで、いいところを伸ばすことが少ない。もったいないですよね。

(構成/ライター・谷わこ)

※週刊朝日 2019年1月4‐11日合併号

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