また、ディファイナーズは関連する保守系ニュースサイトを通じて、アップルやグーグルを攻撃する記事をたびたび掲載し、「ブライトバート」などの極右ニュースメディアにも転載されていたという。批判がフェイスブックに集中しないように、矛先がライバル社に向かうよう狙っていたとみられる。
報道の翌日、フェイスブックは声明を発表し、「事実誤認が多数ある」と反論。ロシアの介入についてはあいまいな表現に終始したものの、トランプ氏の発言については当時の基準では規約違反には当たらなかったと説明した。ディファイナーズに中傷キャンペーンを依頼したことはなく、その活動も把握していなかったとした上で、報道があった14日に契約を破棄したことを明かした。
米民主党有力者のデイビッド・シシリーニ下院議員は今回の記事について、「自らの莫大(ばくだい)な利益を最優先にするフェイスブックの経営陣に自制は期待できない」とツイート。議会はフェイスブックの影響力をそぐ法規制を検討すべきだと強く訴えた。
報道が事実ならば、フェイスブックは自ら起こした問題について、まったく反省していないことになる。同社への法規制を求める声は、今まで以上に高まりそうだ。
※週刊朝日 2018年12月3日号