日本の女性ファッション誌の部数ランキングで、初めて「40代向け」がトップになった。「大人女子」を世間に広めた宝島社の「GLOW」だ。50~70代の大人女子の「爆消費」はとどまるところを知らないが、これはその更なる拡大を意味するのか。
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社内の事前調査で、ある程度「予想」はついていたようだ。宝島社の反応は速かった。数字発表のその日に、「号外」と銘打ったニュースレターが発行された。
「40代女性ファッション誌『GLOW』が初の1位!」
11月9日、日本ABC協会が2018年1~6月の「雑誌販売部数比較表」を発表、宝島社の「GLOW」が日本のファッション誌でトップになったことがわかった。
女性ファッション誌といえば、以前は若者向けがトップになるのが常識だった。それが、若者の雑誌離れはあるにせよ、40代向けが首位を奪ってしまったのだ。
「GLOW」は「ツヤっと輝く、大人女子力!」をコンセプトにしている。本誌は11月16日号で50~70代の「大人女子」たちが「爆消費」を展開していることを報じた。その流れでいけば「大人女子」がファッション誌界も制した格好だ。
宝島社はこれまで、ファッション誌を通して「女子」の対象年齢を拡大させてきた。1999年に20代向けの「sweet」、2003年に30代向けの「InRed」、そして10年に40代向けの「GLOW」を創刊、それぞれ年代と「女子」を結び付けた言葉をキャッチフレーズにしてきた。ファッション誌に詳しい甲南女子大学の米澤泉准教授が言う。
「とりわけ『GLOW』は『40代女子』『大人女子』を数多く使ってきた。これらの言葉を世間に定着させたのは『GLOW』、と言っても過言ではありません」
そんな「GLOW」がトップになれたのはなぜか。大平洋子編集長によると、理由は二つ考えられるという。
一つは実利。女性誌に「付録」はつきものだが、ヒット付録が生まれたのだ。