放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「保育士さん」について。
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保育士さんという仕事が大変であるということは、保育士不足のニュースを聞くたびにわかっているつもりだった。
先日、保育園の「変装参観」というものがありました。うちの息子が通わせてもらっている保育園では2歳児コースだけに、この変装参観がある。親が変装して、その日一日、保育園での子供の様子を見ることができる。いつもと違う洋服を着て、エプロンをかけて、頭に帽子をかぶり、眼鏡をしてマスクをする。こんな人が歩いてたら明らかに変質者である。ある期間だけ、1日1組参加できるこの変装参観。毎日、変装した人が教室で見ているのだが、子供たちは「先生」と思っているようだ。
僕と妻も変装して参加した。まずは教室で遊ぶ子供たちを見学。何度か息子と目が合うが、気づいてない。ちなみに、あと1歳上だと気づかれてしまうらしい。
先生たちが教室から園児15人ほどを連れ出し、近くの公園に散歩に向かう。子供たち2人1組で手をつながせてゆっくり歩いていく。5分ほどみんなで歩くと公園に到着。僕ら夫婦も子供たちから5メートルほど離れてついていく。
公園に着くと、みな、落ち葉を拾って先生に見せたり、追いかけっこしたり。すると今度は先生を中心にした追いかけっこをする。捕まった園児が泣いてしまったりもするが、実に微笑ましい。うちの息子は家ではとてもご陽気で裸になったりするのだが、保育園ではそんなキャラではなく、一歩引いている性格だと判明。みんなで手をつなぎ円になるときに出遅れてしまった息子。「息子が入る隙間がない」とドキドキしていると、息子が、間にグイッと割り込んで隣の人と手をつないだときに「良かった」と安心したり。いつもの状態をありのまま見せる。それがとても興味深い。公園から戻ると給食。息子はスープが苦手らしく、一時期はやった牛歩戦術並みのスピードで飲んでいく。