

著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は俳優・徳井優さんの「みんみん」の「餃子」だ。
【もっちりした皮とたっぷり野菜!「みんみん」の餃子の写真はこちら】
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吉祥寺に引っ越して23年になります。当時、まだ小さかった子どもが、なかなか野菜を食べない。なんとか食べさせたいと思っていました。
ある日、街を歩いていたら、
「みんみん」という平仮名の看板が目に入ったんです。優しそうな感じに魅(ひ)かれ店の前まで行ったら、餃子を作っているのが見えたんですよね。指で閉じている様子が上手だし、できあがった形も美しい。そこでおみやげ用生餃子を買ってみました。
もっちもっちの皮がおいしい。大阪出身で粉もん好きの私は、厚めの皮が気に入りました。餡はほとんど野菜。なのに子どもが喜んで食べるんです。これはいいと、生餃子を買うのが習慣のようになりました。
焼くのは私の役目。フライパンに間隔をあけて餃子を並べ七分目までお湯に浸す。焼くというより茹でる感じです。頃合いを見てお湯を捨て、ゴマ油を垂らして焦げ目を作るように焼く。店員さんには敵(かな)いませんが、この作り方で香りが高くふっくらとした餃子ができるんです。
(取材・文/菊地武顕)
「みんみん」東京都武蔵野市吉祥寺本町1−1−9/営業時間:11:00~21:00/定休日:なし
※週刊朝日 2018年11月9日号
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