■”好かれよう”と思ってはいない
──そういう気負いのない姿勢が、演技にもつながっているのでしょうか。
演技については、「役づくりをしない」ことをモットーにしています。もちろんホン(脚本)は読むし、頭で組み立てて考えたりもするけれど、役づくりしても結局キャラクターになってしまいますから。いま考えているのは、自分云々じゃなくて、その作品にどれだけ面白い立ち位置で入れるかとか、共演者やスタッフとどういうことができるかとかなんです。
──映画「スマホを落としただけなのに」で演じた富田は、一生懸命で誠実で、我々がイメージする田中さんに近い役どころでした。
ごく普通だったはずのカップルが、彼氏が携帯を落としたことによって事件に巻き込まれていくお話ですが、僕は“普通であること”に徹しようと思いました。比較的得意な分野ではあります。完成した作品を見て、SNSミステリーであると同時に、ちゃんとしたラブストーリーになっていて、よかったなと思いました。最後の場面は、自分だったら富田と同じ決断ができるか、考えさせられましたね。
──北川景子さん演じる麻美に、プラネタリウムでプロポーズするシーンも素敵でした。
そうですか? 僕は「くさいな」と思いましたけど(笑)。自分では絶対に言わないです。
──田中さん自身は、スマホをなくしたことは?
まだないですね。
──スマホ、どんなふうに使っていますか?
普通ですよ。みんなに連絡とったり、調べものしたり、動画見たり、音楽聴いたり。SNSは自分からは発信しませんが、今年に入って見るようになりました。「おっさんずラブ」のインスタグラムのフォロワーがめちゃくちゃ増えているって聞いて、「これどうやって見るの!?」って教えてもらって。ツイッターも登録しました。
──どのくらい使いますか? さすがにお風呂には持っていかない?
絶対持っていきます。僕、携帯依存症なので(笑)。常に充電器を持っているし、時間のかかる仕事のときはマネジャーに渡して、「充電しておいて」みたいな。