新たな「日本の台所」となる東京・豊洲市場が開場したが、久しぶりに注目を集めたのが小池百合子都知事。満面の笑みを浮かべての登場だったが、気になるのは2020年の東京五輪開催時の都知事選だろうか……。永田町周辺では、昨年の衆院選で遺恨を残した自民に「すり寄っている」との評判も立ち、知事選延期に向けた「延命工作」とも受け取られている。「市場移転延期」を含め、小池氏に“ケチ”をつけられた舛添要一・前都知事がインタビューに応じ、痛烈に批判した。
小池百合子都知事が、「いったん立ち止まって考えるべきだ」と待ったをかけ、2年遅れて開場した豊洲市場で、久しぶりに脚光を浴びた。だが、前都知事で国際政治学者の舛添要一氏がインタビューに答え、「移転を遅らせたのは無駄だった。小池都知事は移転問題を劇場型政治の道具として使った」などと痛烈に批判した。
豊洲市場を巡っては、2年前にすでに完成し、舛添氏が都知事時代に、築地から移転して開場を2016年11月7日と決めていた。それが目前にしてくつがえった。
「小池さんは私がやったことに全部ケチをつけ、ひっくり返した。『豊洲』を2年間、空き家のままほったらかしにしたようなものです。2年待った分の、業者に対する補償、補修工事、電気代などの維持・管理費を含めると150億円以上に膨れ上がった。小池さんはそういうことには責任を取らないんですか、という思いが私にはあります」
小池氏が開場に「待った」をかけたきっかけとなったのは、16年9月の「盛り土問題」が発端。そもそもの豊洲市場の敷地が東京ガスの跡地で、土壌汚染対策が必要だった。ところが、地下に『盛り土』がなく、水のたまったコンクリートの地下空間があることが判明し、小池氏は緊急記者会見を開き、大騒ぎとなった。舛添氏は「盛り土」がないことを知っていたのか。
「私も知事時代に『盛り土』をしていないことは聴いていなかったし、そんな大事なことを知事に報告しないような都庁の官僚体質は問題だと思います。ただ、小池さんは、盛り土がないじゃないか、ウソをついた、大変じゃないかと、ギャッと騒いだ。私だったら、『地下にもコンクリートの空間を設けておかないとメンテナンスができないので、必要だから設けた』とクールに発表していたでしょうね」